プロサッカーのJリーグ創設、分裂で危機に瀕していたバスケットボール業界を再編しBリーグを創設、とスポーツ界の改革に大きな貢献をした川淵氏。
様々な記事や動画がありますが、今回とりあげたものは、スポーツ界の改革に必須なビジネスの視点からの内容で、非常に興味深かったです。それに川淵氏のお話、すごく面白い!
大きな改革を成し遂げるのに必要なもの、それは
(1) 意志
(2) 経営センス
(3) 有能な人材の確保
である、といった内容なのですが、ご自身の経験を踏まえつつ、豊富なスポーツ業界の具体例を取り入れて話されています。
分裂が深刻なダンス界には、2つに分かれていたバスケのリーグをまとめ上げた手法に興味を惹かれます。
10年揉めていたものを半年足らずでまとめ上げたそうで、資格停止などの危機もありこれはかなり強力に推し進められた模様。
ただ、日本国内は分裂していましたが、海外のバスケ団体から1つにせよという要請があったもので、海外も分裂しまくっているダンス界とは趣を異にしています。
とはいえ、業界を再編し収益化を実現した手腕は見事。よく言われる「強い意志」「交渉術」「ビジョン」もありますが、それだけでなく、どうやって利益の上がるビジネスにするのか、それを実現する組織づくり、など非常に学びが深いです!
とくに、観客数や利益は劇的に伸びており、スポーツビジネスってすごいんだな、と驚きました。
4年ほど前の動画ですが、バスケが48年ぶりに自力でオリンピック出場を決めた今となっては、感慨深いものがあります。
JリーグBリーグ初代チェアマン・川淵三郎氏の挑戦と変革
2:30 Jリーグへ関わることになったきっかけは、サラリーマンとしての挫折
6:30 プロ化なんて無理と思えた現状、しかし海外では盛ん。やってやろうと思った
10:35 Bリーグにかかわるきっかけ
・10年間分裂していた業界。オリンピックも40年以上出れていない。
・カーリングを見よ。選手登録2500人なのにTVなどマスコミで大きく取り上げられている。バスケは登録63万人、1/250の業界に負けている。
②人を巻き込む
21:10 実務能力のある有能なスタッフが必要。交渉、規約作成等々。気心が知れているではなく、実力のある人材がいないと実行できない。
③勝つ戦略
28:11 大事なのは観客動員。儲かる仕組み。
・サッカー:1万5千人収容のスタジアムと80%の観客を加入条件
・バスケ:5千人収容で80%の観客を加入条件
・行政に掛け合い、地域活性などと結びつける。良例、鹿島。
④変化に適応する
43:00
・点が入らずつまらないサッカー。延長戦PKの導入
・TV放映権。個別の球団でなくリーグ全体で交渉。50万円と思った放映権が1千万円に。
・その後、放映収入年間10億円→20億円→50億円
・バスケ人気なく赤字、運よく援助してくれる会社現れるなど幸運も
・観客動員や収益も急上昇、20年でJリーグ97億円→1500億円規模、観客80万→1000万人など
⑤トップは器を大きく
53:00 世界は日進月歩、学び続ける必要。昔はこうだったではだめ。
その後、質疑応答。印象に残ったもの。
1:03:00 強さを作るには長期の戦略が必要。短期で強くなると短期で弱くなる。
1:10:00 強いチームの固定化はつまらなくなる→ドラフトなど制度改革
1:15:00 9種の球技を強くする企画。お金を出すだけでなく、実務能力のある人を有償で雇い(優秀な人が必要だから)、運営・経営も改善する必要
1:25:00 スポーツビジネスにはまだ伸びる余地が多い。経営やマーケティングの発想で観客を増やすなど。アメリカなど海外は先進的。
1:33:00 子供のうちは楽しく、スポーツが好きになるように。育成組織も必要。
などなど。
この講演会を主催したのがグロービスという経営やマーケティングの研修企業のようで、スポーツマンというよりは経営的な観点での話でした。しかし、スポーツなどにも経営的マインドが必要なのだということが良くわかります。
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