■日本インター雑感

2024-06-17

latin standard

 

6月15・16日は日本の誇るダンスの競技会、日本インターナショナルダンス選手権大会、通称日本インターが有明コロシアムで行われました。

<結果>
■アマ・スタンダード
1位 五月女 光政・五月女 叡佳 5 
2位 Ricky Lai Yuxiang・Sally Xie Hongyu 45
3位 中村 エドワード 漸・中村 エリザベス 永理 14
4位 飯沼 孟大・馬場 えりな 71
5位 Daniel Lin・Selina Ke 62
6位 藤森 春樹・金山 咲月 48


■プロ・ラテン
1位 Darren Hammond・Marina Steshenko 74 
2位 野村 直人・山﨑 かりん 37
3位 Jaak Vainomaa・Tiina Koskenvalta 105
4位 竹内 大夢・中島 由貴 121
5位 八谷 和樹・皆川 円 90
6位 鈴木 佑哉・原田 彩華 20
7位 髙野 大樹・加藤 奈々 129

■アマ・ラテン
1位 海老原 拳人・タカギ ルナ 76  
2位 町田 篤人・山﨑 笑夢 30
3位 太田 佳輝・吉村 春香 36
4位 渡辺 安登・三喜 穂菜美 10
5位 Roger Lin・Ivy Chung 79
6位 吉田 篤志・礒道 佑菜 02

■プロ・スタンダード
1.Madis Abel・Liis End 206 
2.Sergey Sutyrin・Natalia Sazhina 15
3.Dakhnovskyi Dima・Dakhnovska Anna 102
4.廣島 悠仁・石渡 ありさ 54
5.福田 裕一 ・エリザベス グレイ 145
6.金野 哲也 ・井之口 香織 87
7.小林 恒路 ・赤沼 美帆 119

<雑感>
私は1日目のドリン&マリーナなども見たかったのですが、2日目のみしか行けず。。でもとても楽しかったです(結果的に1日目はドリン達など海外勢の欠場が多かったので、まあ結果オーライ的)。

以下雑感です。。ただ、あくまで部外者・素人なので的外れなことも多いと思います。でも、慣れてないなりに誰かの参考になることもあるかもしれないので書いておこうと思います。

■全般
・日本らしいきめ細やかでスムーズな運営
  出場者、カテゴリーも多く大変そうなのですが、ほぼ時間通りに進行、終了も7時台、と素晴らしかったです。会場内も案内の人などたくさんいて、きめ細やかと感じました。

・内部完結的?
  先生・生徒・関係者が大多数で、皆さん手慣れていらしてすごいのですが。。一般のお客様は少ない感じ。でも今はやってないけど来たわ、という話ももれ聞こえたりしたので、もっと様々な観客を呼べる印象もあります。それとなんとなく小学校の運動会のような(先生・親・生徒で一致協力でもちょっと内輪的、セレモニーのやり方なども)懐かしい雰囲気で良い面もあり、もっとできそうな面もあり、と思いました。

・環境の変化に苦労がありそう
  後で書きますが、海外からの参加が少なく、人気がないのかしら。。WDC・WDOで選手が割れているし、ブラックプールの期間も近いせいか、なかなか大変なんだろうな、と思いました。海外の競技環境の変化に加えて、日本国内も競技人口が変化してきているので、その点も過渡期なのかもしれません。
  

■当日より前
・宣伝がほぼポスターだけ
  先生・生徒を対象としているからだと思いますが。。競技ダンスはポテンシャルもありもっと観客を呼べる気もします。フィギュアスケートなどは、入場料収入1~3億円、物販収入5~10百万円と聞いたような。
  街頭で動画を上映?したようですが、あまり話題になっていないし。。今は皆、下を向いてスマホを見ている時代。。Web(英語版もぜひ)、Youtube、インスタ(ダンスはヴィジュアルなのでインスタは人気)なども活用した方がいいと思いました。ちなみにX(twitter)は年配の人が多めだそうで、若い人に訴求しにくいかなと思いました。

・事前のアナウンスは親切
  有明アリーナと間違えやすいこと、中では飲食の物販が一切ないことなどは繰り返しアナウンスされていたので、そこでの混乱はほとんどなかったと思います。このあたりはきめ細やかだなと思いました。
  でも、高校の文化祭でもキッチンカーを呼ぶ(衛生面が生徒運営より安心)時代なので、もっと何かできそうな気もします。思っていたよりお客様も多かったし。


■会場
・有明コロシアムはアクセスも割とよく、席も階段状でとても見やすいです。「寒いよ」「椅子が固いよ」などとありがたいことに発信してくださる方もいて、対策していきました。まあ私が鈍感なのかそれほどでもなく。。お高いアリーナ席などはゆったりしているので、こみこみ感のある上より寒いのかも(下だし冷気も)

・椅子が固いという噂でしたが、物販でクッションも売られているみたいでした。クッションと言えば、以前ヨーロッパのお城コンサート(屋外)にいった知人が、黒くて薄い丸いクッションにお城の金色ロゴがあるものが売っていて、お土産にもなるしとちょっと高いけれど買ったと言っていました。

・物販は定番そうなドレスや靴、アクセサリー等が多そうでした。でも、もっとできそうではと思いました。
例えばオリジナルグッズ。車いすバスケなどは開発費用を抑えるために、デザイン系の学生達を起用したそうですが、関心を持って試合に来てくれたり、駅前のイベントに参加してくれたりと相乗効果があったそうです。
また、日本はイラスト得意な人が多いので、コンテスト的なものありかもしれません。
それから、別系統の商品、例えばアミノ・バイタルのような栄養食品(?)は登山や水泳をする人に人気らしい。。ダンスも割と長丁場で年配の方も多いので、それを意識したものも良いのでは。。
あと最近TVで見ましたが、余ってもOK、賞味期限が長い缶詰の食事(実は非常食)があって、アヒージョなどワインに合いそうなものもありました。ダンスは大人のハイソ感があるものだし、ワイン等の提供もアリかなと思いました。クラシックのコンサート・イベントでは良くありますよね。

フロア周りの広告も少なめで、少し寂しいと感じました。既存のもの以外にも活路を見出してスポンサー収入も増やしてほしいです。


■スムーズな進行
手慣れていて、参加人数も多いのに遅れもなく、終わりも7時台ってスゴイ!って思いました。運営も皆さん協力し合っているようで、丁寧。。

司会もユーモアを交えて、そして、てきぱきとされていました。でもinternationalなのでもう少し英語を増やしても良いのではないでしょうか?例えば、セミ・ファイナル以上は立て続けに踊るので休憩代わりに靴の裏にゴミが付いてないか確認してくださいと半分冗談で何回かおっしゃっていましたが、海外選手は「え?何?」って感じ。。

国旗セレモニーは華やかでいいな、と思いましたが、WDCはロシア等に配慮しているのか国表示を外したりしているので、ドニーやホーキンスに何か言われちゃうのかな、と勝手に心配になったりしました。来年はWDC系の世界選手権が日本であるそうなので、このあたりもどうなるのかな。。

あと招待選手のマディスが日本語で頑張って選手宣誓をしていてほほえましかったです。


■プログラムと出場者
プログラムは2日間共通で2千円。進行表(これはWEBにもあり)、選手リストは便利で、有力選手紹介のカラー写真などもあるのですが、広告がすごく多く、これなら無料でもいいんじゃない?と思いました。

プログラムの選手紹介によると、海外招待選手は公表されているマディス&リイスではなく、クレメン&サーシャとありました。ちょっとびっくり。。おそらく当初はクレメンらに内定していたけれど→国内転戦の負担感等から東京のみ(1日目のプロ・ラテンと2日目にデモ、という話もあったみたい)→来日せず、みたいな流れだったのかな。。ビザなどの渡航手続きの問題もあったのでしょうか。。クレメンたちはドーメン&ナターシャの結婚式には出ていたし、元気そうではあったので。

最終的に1日目は、クレメン&サーシャだけでなく、おそらく目玉であったろうドリン&マリーナなども欠場。

それと、東京+地方インター(4か所)は負担感が多そうです。ブラックプールの時期とも近いし。。あとはやはり宣伝不足かも。。過去には数多くのレジェンドも登場しているのに、ほぼ日本語のみかつ、少な目の露出ですし。。
今後は東京+1都市(毎年変える)や、東京or地方で年1回(フィギュアスケートのNHK杯とかそうだったような。東京と地方を交互)なども考えても良いのではないでしょうか。日本選手だって、全部出るのは大変なのに、海外の人には酷では。。

2日目はマディス&リイスが新鮮でクオリティの高いダンスを披露してくれ、良かったです。数多い転戦も快く引き受けてくれているので、やはり丁寧な対応で日本インターシリーズの評判を上げるように運営の方々、応援も頑張ってほしいと思いました。

それから、プロ・ラテンでトー●ス&ニル●ーナっていう選手がシード選手、有力選手として紹介されていてびっくり。。確か彼らは昨年9月ポーランドで行われたWDOランキング戦で6位だったのですが、この大会は出場者が極端に少なく。。私も配信で見ていて、なぜこの人達?と不思議に思ったくらい。。そのときドロンさんに質問したら、さすがご存じで、いわゆる名物プロ、とのことでした。。(スタンダードでもピンクの燕尾の人みたいな?ビッグコンペにたまにいる系?) それなのに?!このあたりは、日本のダンス界の情報収集力が、、なのでしょうか。。


■観る専(ガイドツアー)・聞く専(イヤホンガイド)
入口すぐに受付があり分かりやすいです。でもよく考えると、このネーミング、ちょっと分かりづらいかな。。あと聞く専は、座談会的で楽しさを前面に打ち出している感じみたいで好評のようですが、でもやはり人によっては「あれ?失礼かも」なのがあったみたいで。。この辺りは公式提供というところからももう少し練っても良いのかもです(デモ動画をみて私もちょっとアレ?って思いました)。


■アマ・ラテン
2日目のみなので。。
選手は若手が多く、スタイルが良く美しい選手がたくさんいました。ジュニアなどからやっていそうな人も多く。でも踊りだすと。。ラテンのコリオなのに、私がラテンと思っているのとちょっと違うというか。なんとなくアイドルぽく、そしてかっこいい、、そのせいか応援は熱心な方も多く、納得なのですが。。
一番ラテンらしいと思ったの5位の海外の男子かな。それほどスゴイっというほどでもないのですが。。でも日本のアマチュア・ラテンは海外だと相性が悪くあまり成績が上がらないかもしれない、と少し心配になりました(日本の有名な先生方も海外ビックコンペを見て違いを指摘されていたかと)。。
それはそれで国内のみで盛り上がる、というのも手だと思うのですが。。うーん。。せっかく良い素材の方々が多いので、指導方法や海外選手を呼ぶ(海外転戦はお金もかかるし、良さそうな海外アマチュア選手を招待するのはアリだと思いました)などやりようがあるような。
また、今、海外ではプロ選手はアマチュアで実績を上げた人が上位にいるので、日本の「まずプロ」のシステムだとだんだん海外での成績が上げづらくなるかなと思います。国内ではプロとして教えるけれど、試合はアマチュアででるのも可(その方が海外キャンプ等もいっぱいある、海外はそんな人も多そう)みたいな仕組みも検討してもいいのでは、と思いました。また、兼業ばやりの今の時代、アマチュア非常勤などの仕組みあっていいかもしれません(人手がいるパーティ等にも良さそうですし)。


■プロ・スタンダード
出場組も200組以上と規模の大きなコンペでした。決勝はやはり有名な選手が多かったです。でも予選をみていても皆さんドレスなども洗練されている方が多く、この辺りは昔より海外情報が手に入りやすい利点などもあると思いました。
表彰台3名は海外勢となりましたが、上の方から見ていると、かれらは大きく広いフレーム(ホールド?)がぶれず、やっぱりスッキリ見えてキレイだったので、まあ納得かな、と思いました。橋本組の素晴らしい引退セレモニーのダンスもありましたが、日本選手も世代交代が進み、今後が楽しみです。

また、マディス&リイスは足腰が強く、深く大きく、でも軽やかな踊りに驚愕したというコメントもいくつか見かけました。予選等は上品なグレーのすっきりとしたドレスでしたが、ファイナルはスローのソロがあるためか、白いフワッフワのドレスで柔らかさをさらに強調。ソロの前、女性は椅子に座っているのですが、彼らは最後だったためか、1曲前には立って備えていて、「確かにずっと座っていたら動きずらいし」と賢いな、と思いました。

それから、プロの優勝は内閣総理大臣賞なんですね!日本インターの歴史と格式の高さを感じました。でも賞状の読み上げは日本語なんで、海外選手達にはありがたさが伝わりづらいかも。。どんな賞なのかだけでも英語で言ってあげたら、と思いました。

■音楽・照明
ラテンもスタンダードも音楽は録音だけでした(生バンドはなし)。音量は適正で聞きやすかったです。
日本らしいのかな、、なんか独特な感じの選曲。。海外で良くかかる曲は、あまりない印象でした(特にラテン)。スタンダードも、決勝などももっと良い曲だと盛り上がるのに。。マディス達の音楽性は今回も素晴らしいと感じましたが、もっとメロディアスな曲などならもっと堪能できたんだろうな、と少し残念にも思いました。
照明は、オーソドックスな感じのスポットライトやカラーチェンジ。。もう少し盛り上げても良い気もしましたが、これが格式なのかもしれません。。


なんだかいろいろ書いてしまいましたが。。せっかく歴史と格式のある大会なので、もっともっとパワーを増してメジャーになってほしいな、と思いました。。

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