■WDSF英国ブラックプールでのグランドスラム
4月11~13日に開催されたWDSFのグランドスラム in ブラックプール。
日本からはPDやシニアの選手の出場・活躍はありましたが、メイン・イベントのグランドスラムには日本選手の姿はなかったようで。。
今回は直前に現地でキャンプが併設して行われ、割と楽に有名コーチ(≒ジャッジ)に知己を得ることもできるチャンスとも思われました。素晴らしい伝統の会場での試合でもあったし、なんだかもったいないな~という印象。
その後、日本の選手たちは4月20日にJDSF京都グランプリや全関西級別などの試合に出ていたことが分かりました。
JDSFの試合は、世界選手権の代表選考会を兼ねていたので、外せない試合だったのだと思いますが、日程など何とかならなかったのかしらと思ったり。。
ヨーロッパなどでは3月くらいまでに国内戦をやるところが多そうな気もするのですが、日本の場合は年度末等で難しいのでしょうか。
もっともシニアの選手は両方出場するなど、気を吐いているな!と感心しました(シニアの選手は世界選手権だったというのもあると思います)。
まあ、上位に上がるのが難しい海外のグランドスラムに出るより、活躍が確実な日本の試合に焦点を、という気持ちも分からないでもないです。。
でも、グランドスラムや世界選手権で上位に行くには、やはり国際的な試合で実績を積んだり、素晴らしい選手であることを海外のジャッジや観客に知ってもらわないとなかなか難しいのではないでしょうか。
国内で、日本の選手同士で競い、あまり海外に出向かない日本の先生による審査、、こうした大会中心ではやはりダンスのトレンドもより日本的になるというか、ガラパゴス化が進んでしまうのではないかな、という意味でも少し心配に。。
日本で試合が盛んなのは選手にとっては励みかもしれませんが、国内戦が忙しすぎて海外に行きづらいのだったら、ちょっとかわいそうだなと思うことも。
■級別戦
また日本では●級戦という試合が盛んなようですが、これも諸刃の剣という気がします。
この●級というのは英検や珠算などの級のように、これができる、このレベルにあるといった技能などを示すものではないようですね。
団体ごとに分かれているので、詳細は不明ですが、東日本ボールルームダンス連盟(JBDF系)の昇給規定抜粋(→こちら)を拝見すると、上位入賞を●回といった規定になっているようです。
ということは、試合や年によってはレベル感が違うこともあり得るのだと思いました。例えば同じB級戦でも年度や時代でレベルの高い選手がたくさんいて厳しかったり、一方そういう人が少なく、また競技人数が少なければ簡単だったりすることがあり得るのではないでしょうか。仮に技術レベルが1~10段階とすると、厳しい年はレベル9で昇格だけど、年によってはレベル7ぐらいでも上がってしまうとか。。
(音楽のコンクールだと1位なしの2位、みたいのがあって技術レベルも見極められている感がありますが、ダンスは1位なしとかないですよね?!)
しかも降級もあるという。。
なので、相撲の番付や将棋の順位戦に近いものなのかなと思います。
相撲や将棋のように、日本での戦いが世界の最高峰!なのであれば、この級別戦のシステムもワークするのでしょう。しかし、日本の●級だからといって海外のビッグコンペで入賞できるというわけでもなく。。
昔は海外に行くとしても、英国3大コンペのどれかとその直前のキャンプ等で頑張ればなんとかなったのかもだし、その間は日本で腕を磨いておけばよかったのかもしれませんね。
日本にも選手が山ほどいて、蹴落としあうことができたでしょうし。。
でも、海外の試合はだいぶ様変わりしてしまったようです。団体が分かれたり、欧米だけでなくアジア等の国も増えたりで試合数も増えていますし、育成システムが整いジュニア時代から名の知れた上手い選手が出てくるなどなど。。
すでに活躍していて名前や顔の売れた選手が華やかなフロアで堂々と踊る中、初めてor年1くらいでドキドキしながら試合に参加、これは辛いし、人による審査の競技なので結果を出すのはかなり難しそう。
海外の試合に参加した方がいいことは分かっている、、でも遠征費もかかるし国内の級別戦には出続けないと降格してしまう。。
その級によってレッスン料、デモやプロアマのお相手料も変わってくるのですから、出ないわけにはいきません。。
このようなシステムは海外でも行われいるのかしら?あまりそういう話題もないような。。日本が以前ダンス大国だったからこそ残るちょっと負の遺産のような気がしています。
ただ愛好家やビギナーにとっては、●級みたいな認定制度があるのは励みになるかなと思います。試合の戦績というよりは技能やマナーを審査するかたち、英検や珠算みたいな級で降級なしでいいし。海外もジュニアやユースの選手はスタンダードはAクラス、ラテンはBクラスなどと言ってパートナー募集している時もありますし。
そして本気で争うプロやアマチュアのトップ選手は、もっといろいろな試合に出て世界ランキングを上げてほしいなと思います。
(でも、、
・国内戦に出て上位にそして「(日本の)トップ選手」なること、
・愛好家や富裕層マダムのアイドルとなって応援を受けること、
・レッスンやデモ、プロアマ等で稼ぐこと、
の方が優先度が高くなる仕組みなんだろうな。。
とはいえ、これも過去の遺産の上に成り立つものだろうし。。
日本のダンスがガラケーのようになってしまわないか心配)
■本気で上を目指すなら
素人の意見で恐縮ですが、多くの方もそう思っていると思うので。。
もし本気で上を目指すなら、具体的で実現できそうな目標を掲げた方がいいと思います!
(「いつか世界チャンピオン」などでなく)
個人だけでなく、業界で。。
たとえば、
・3年でユースのセミファイナル
・5年でビッグコンペの準々決勝
・10年でセミファイナリスト
に入る選手群を育てていく、など。。
フィギュアスケートのように、個人ではなく団体としても動くともっと成果が上がっていくと思います。
例えば、年間このくらい国際試合に出させる、このレベルの有名コーチにつく、強化選手はこう選ぶ(年齢・体形・適性etc)、日本でこんな試合や練習会を行う、などなど具体的な戦略もおのずと導き出されるのでは?!
海外コーチに学ぶため、英語なども必要ならダンス用語を入れたプログラムやサイト等を作ってもいいし(若い人は英語が堪能な人も多そうですが、専門用語などもあるし。個人で努力するより皆で知恵を寄せ合うと速い)。
海外遠征が大変なら、定期的に海外から大勢のコーチを呼んだり試合を開催(+キャンプ)をしてもいい(他の国ではもっと盛ん)。
幸い日本は旅行先としても人気があるし、トップコーチや現役選手(教えの仕事もしている人多い)に来てもらいやすいと思います。
キャンプや練習会は、これまでのリッチな愛好家やベテラン選手の枠とは別に、ジュニアやユースも含めた競技選手(特に活躍が見込まられる強化選手)が参加できるものをもっと増やすなど。
ところで今年、WDC系の世界選手権が開かれるということで、強化練習会も行われているようですが、講師陣に現在海外で活躍する指導者(≒ビッグコンペのジャッジ)を多数呼ぶといったことはされているのかしら。。言葉も通じる国内の、信頼できる先生に丁寧にケアしてもらうことは競技人生を続けるうえでは重要ですが、勝つためには別途戦略も必要な気がします。
本気で日本の選手のレベルを上げたいなら、本気の計画・行動を!そしてスケジュールを制する者が成功する、ということで賢明なスケジューリングを!!
(でもそういうインセンティブはやっぱり少ないのかな。。)
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