■イタリア・テニス界に学ぶ躍進の方法

2025-09-03

latin sports standard

 現在、全米オープンが絶賛開催中のテニス界。

なかでもヤニク・シナーを始めイタリア選手は最近躍進。2025年1月時点でATPトップランキング男子には100人中11人がイタリア人、女子もジャスミン・パオリーニはじめ活躍が目立ちます。

TVやSNSなどを見ていると、イタリアテニス界が育成に力を入れだしたのは2015年からとのことで、本格的に力を入れると5年足らずでも成果が出るんだと驚きました(2019時点でベスト100に8選手)。


上の記事には
・協会主導から各コーチ・チーム支援型に転換(地方で生活している子たちが家族から離れずに活動できメンタル面でもいい)
・有望ジュニアへの経済的な支援
・15~17歳は国内4か所のセンターで集中トレーニングできるようにし、自宅からより近いところを選べる
といったことが述べられていました。

このほか私が見聞きしたところでは、次のようなものがありました。
・チャレンジという試合が毎週あり、気軽に参加できる、勝ち抜いていくこともできるし、負けても勝った子の練習相手ということでプレイもできる。
・無料で見れるテニスTVみたいのがあり、若者や人々の関心をひいている。サッカーも人気だが、テニスも2番目ぐらいに人気がある。
・ローマ・カップという国際大会には、全国から5万人ほどの子供たちがバスで観戦に駆けつけ、テニス選手としての夢を持つ。
・国際大会も盛んに招致・開催しており、費用の掛かる海外遠征をせずに済む(観客動員も期待できるでしょう。。広告収入も。)
・そうした大会に帯同するコーチ間も交流の場があり、コーチとしてのスキルアップができる。
・国際的に活躍するようになると、有名ブランドとタイアップできる。シナーはグッチ、など。


ダンスについて考えてみると、、私的には、地方に何か所か育成センター的なもの(大きい教室を指定?)することはちょっといいな、と思いました。

なぜかというと知り合いの方が昔、東京にある某有名バレエ団がやっていた日曜クラスというのに行っていた話を聞いたからです。
そのクラスはね、日曜なら来れると仙台などから新幹線に乗ってきている子もいたんだよ、と言っていました。平日は地元のお教室で練習しているのですが、ここにくると上手い子も多いし、すごく刺激になっていいと頑張っていたそうです。そのクラスにはオーディションみたいのがあって一定レベルの子が参加できる形だったそうですが、生ピアノ、一流講師のレッスン、ですが料金は日本ダンサーの育成のためということで、お手頃だったそうです(たしか1時間半で3千円くらい?今は4千円くらいみたいです)。参加者もその後有名バレリーナになった方も多いです。

海外留学というのはやはり中学生ぐらいまでは難しいかなという気もしますが、国内数か所に拠点があって、というのだったら、土日とか長期休暇に行けるかなと思います。
今どきなら、海外からの講師(若手の選手でもいい)を招いたり、それに合わせて外国語も勉強してみたりというのもできますよね。

あとは、国際大会を招致するというのもナイス・アイディアだと思いました。
何かのドキュメンタリーで、イタリアの若手テニス選手が「僕たちは国内でこういう試合ができるから恵まれているよ。他の国の選手は、時間や費用をかけて試合をしにイタリアに来るのだから」と言っていました。
まさに今日本のダンスの選手が、海外遠征等で負担を強いられていることの解決策になるのではと思ったり。

このところ、毎夏、中国や台湾などでは数回国際大会が開かれ、世界のトップクラスの選手が多く登場しています。キャンプを併設、ソロ競技、プロアマ等も多く数日にわたって開催されるものも少なくありません。。
日本では夏にADOが1回のみ。。海外選手も、いえ日本選手もちょっと少な目。
年間を通してみても、毎年海外選手が来るのは、アジアオープン(WDO系)日本インター(WDC系)東京オープン(WDSF系)ぐらい、、アジアツアーの一環として定着しているアジアオープン以外は、海外トップクラスの選手の数も減りつつある気もします。

観光地として日本は人気ですし、海外の人には大会招致も受け入れられそうな気もするのですが。。問題は国内でしょうか。パーティー等で忙しいのかも。


イタリアテニスの協会の人が言っていた言葉で印象的なものがありました。
「確かにシナーのような選手を作り出す決まったレシピというのは世界中のどこにもない。彼は特別だ。しかしランキング100位以内に入る選手を作る方法はある。その100人のうち自国選手が何人いるかは、その国の育成力があることを示している」
ダンスでいうとベスト24か48に何人といったところでしょうか(団体が分かれてるし)。

日本のダンス界はこれまで突出した才能のある方が、たまたま出てきて活躍、という感が強かったかなと思います。でも、もう少し見直せれば全体の成績もアップするのでは?と思ってしまいました。

組織的・戦略的に行動すること、もう少し練った事業計画をすること、などはプロスポーツという面がある団体では必須かなと思います。(でも前例踏襲が楽だから、ってなりがちなんだろうな。。)


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