■日本選手を応援したい③~戦略面

2026-06-11

latin standard

今回は日本選手が海外で活躍するのに必要な、戦略面のことを考えてみました。


■日本の選手育成体制の中心~学連
 日本では長らく、選手育成の中心は学連であったと言えるでしょう。
学連は日本のダンス界でも貢献度が高く、非常に重要な役割を果たしていると思います。
実際、日本のプロの先生の大多数は学連出身なのではないでしょうか。。

 学連とは、たしか学生競技ダンス連盟の略で、日本国内の大学にあるダンス部等から構成される大学生による競技団体のこと。

 風営法(*)の影響もあってか、以前日本では子供時代から社交ダンスを習うのはあまり一般的ではなく、そういう意味でも学連は選手の発掘・育成をしてくれるありがたい団体でもあります。
 
 *2015年に改正

 学生らしく、効率的なトレーニング、そして試合等も組織的に行い、短期間でかなりレベルの高い選手を生んでいるという点ではスゴイと思います。


■日本ダンスの黄金期
 1990~2000年前後?は、日本ダンスの黄金期だったのだといえるでしょう。1997・8年にはビッグコンペでファイナル入りされた田中先生など、日本選手の活躍が目立つ時代。田中先生も学連ご出身。。

 まさに学連のパワーが実感されるというもの。個人レッスンが多い愛好家の先生となる人々も学連が供給してくれ、日本ダンス界としては一つの良い形が出来上がっていたのだと思います。


■世界のダンス界の変化
 しかし、世界のダンス界は徐々に変化。あくまで私の感触ですが。。

・育成の充実
 アマチュア区分主体のWDSFなども発展。ジュニア、ユース等10代の試合が充実するようになり、育成も若年化。。そうなると、バレエや新体操等で育成のノウハウのあるロシアや東欧等の選手が活躍するように。。 

 (ロシア等の国の人達にとっても、競技ダンスは魅力があったと思います。選手期間の短い新体操や主役級にまでなるのが厳しいバレエに比べても活躍の可能性が高い。怪我もこれらに比べて少な目で、教師としても収入が確保しやすそう)

 やはり素質のある子達に、10代前半からの身体が成長する時期にトレーニングするのは上達が速く、効率的。そして20歳前後には、職業としてダンスをやるか否かを選択するようになっているようです。近年は中国を始め、各国がこうしたモデルで育成している模様。
 
・ユース、U21等で活躍がカギに
 近年はユースやU21でファイナリストになるなど、活躍した選手がアマチュアでも上位に。そしてアマチュア上位の選手が、プロでも活躍、という流れが強くなってきました。



■日本の挑戦
 そうなると、 育成のメインストリームが学連(というか丸投げ?)だと、ユース、U21等の成長率が高く、キャリア形成にもおいしい時期をのがしてしまうということに。。もちろん海外選手でも20代後半ぐらいからぐっと上手くなって上に行く選手もないではないですけれど、それにしてもスタート時点でそこそこ上の方にいるので、、とも思います。

 近年日本でもまだ少数派ながら、ジュニア時代から競技ダンスをする方も増えてきました。
 今回の日本インターでターンプロ初ながらも3位に入った五月女組もそうした方ですよね。
彼らは10代の頃から、海外のコーチに師事したり、海外の試合にも多く出場、2024年頃にはユースやU21で決勝や準決勝に入ったことが成功のカギだったのではと思います。
ターンプロした今年、ブラックプールで日本選手の中でも好成績を収めていれば、日本インターでの結果も納得かなと思います。

 ジュニア時代からという方々は、日本では一般的な「学連→プロ」みたいな道だけでなく、個々で工夫してキャリア形成をしているのだと思います。特異な道ということは、それはそれなりに困難(費用面でも)がありそうです。

 日本での王道の育成が、もっと成果の出る方に向かってほしい。。努力がより実になるようになってほしい。。
 若年層でも活躍がメジャーになれば、知名度も上がり学連に入ってくれる人も増えるのでは、などと思います。


■U21とプロ・ライジング
 海外での若手登竜門のU21ラテンと、日本選手の多くが登竜門とするプロ・ライジング・ラテンを比較して見てほしいと思います。今年のブラックプールでの決勝の動画です。

U21
Blackpool Dance Festival I 2026 I Final I Under 21 Latin




プロ・ライジング
Blackpool Dance Festival I 2026 I Final I Professional Rising Star Latin



 今回がたまたまなのかもしれないし、人によっても感触は違うと思いますが、、やっぱりプロ・ライジングの方が層が厚そう。。

 日本的な感覚だと、プロの方が上手いでしょ、ってなるかもしれないけれど、、アマ・ラテンのファイナルはやっぱりレベルが異様に高いと思います(動画はいいのがないのですが)。最近は、ターンプロしても、アマトップだった人はプロ・ライジングには出ないので、そのあたりもプロ・ライジングの最近の立ち位置が分かりそう。。

 つまり、上手くなるかももちろんですが、戦いやすさ・成績のあげやすさという面でもユースやU21は重要。そこでのしていくと、アマやプロで活躍しやすそう、という感じかな。同じ上手さなら上に行きやすい道があるというか。。ダンスの審査って何秒とか何点みたいな厳密さは難しいので、国際試合で知られていること、実績があることも大きな武器なのでは。。

 
 出場組数もU21ラテンは115組、プロ・ライジング・ラテンは149組。
ちなみに
 ユース(U19)74組
 アマ・ライジング223組
 アマ239組
 プロ204組
(dance infoより)

 たしかにアマで勝ち上がるより、プロ・ライジングの方が良さそうですが、ユースやアU21で上に行くほうが目がありそうというか。日本的に学連のあとにこのような国際試合に出る、となると、ユースやU21の有利な時期に勝負できず、いきなり荒波のアマやプロ、ライジングに身を投じることに。。

 スタンダード(Ballroom)では
ユース(U19)47組
U21 66組
アマ・ライジング 121組
アマ 146組
プロ・ライジング117組
プロ 147組
でした。

 それにU21などの方は、年齢制限があるので、その年齢になれば抜けてしまったり、上手い人は成績上位なら次の年は出なかったりするので、チャンスはありそう。ユースやU21あたりだと、ダンスの上手さだけでなく、キャリアとしてダンサーを目指すか、カップルを組みなおすかなどで、また減ったりしてしまうので、優勝しなくてもそこそこ上位ならばキャリア上優位に立てそう。。

 今年BPDFで、アマチュア3位になったシャリフ&アンナは、やはりユースやU21で実績を伸ばしてきた選手。あと数年でアマ・チャンピオンになれば、ターンプロしてもすぐにセミ・ファイナルに行ける可能性は高いのではないでしょうか。人数少な目のスタンダードはもっと顕著かなとも思います。




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