■ロイヤル アルバート ・ホールのイベントProms その2

2024-06-13

classic various

前回はプロムスやそのラストナイトの概要をお話ししましたが。。

今回はラストナイトの定番曲の動画で私が好きなものを紹介したいと思います。

毎回歌われるものにRule Britaniaというのがあります。こちらも愛国的な歌で、パイレーツ・オブ・カリビアンなどの映画でもイギリスの象徴みたいにBGMでかかったりしています。

サビのところ
"Rule, Britannia! rule the waves:
"Britons never will be slaves."

<繰り返し>
統べよ、ブリタニア! 大海原を支配せよ
ブリトゥンの民は 断じて隷属はしない

ブリタニアは英国を擬人化した女神で、要はイギリスが世界を支配・統治するだろう、みたいな意味らしい。。

このRule Britaniaはゲストの著名なオペラ歌手と観客がともに歌います。ゲストの歌手は思い思いの扮装で登場。素晴らしい歌声の歌手とともに歌い盛り上がれる喜び!

非常に人気の歌で、いつもすごい盛り上がり。プロムスの翌日、女の子たちがこの歌を歌いスキップしながら横断歩道を渡っていてびっくりしました。

今一番好きなのは、ペルーの英雄的歌手ファン・ディエゴ・フローレスのもの。豪華なインカの王様の扮装で登場

Thomas Arne: Rule, Britannia! - BBC Proms

みんなの旗の振り方がスゴイ!旗など国旗グッズは地下鉄の駅あたりから出店が出ていてたくさん売っています。もちろん自分の国の国旗や、英国も地方によって旗が違うので、それを持ってきている人もいます。

2:51くらいの軍人ぽい服装で長い竿にいっぱい国旗を付けているおじさんたちは名物の方みたいで、会場に来た若い子たちにも挨拶されたりしてました。

同じ歌の動画なのですが、こっちの方が登場シーンとかもあり面白いです。指揮者のオラモがお辞儀している姿もコミカル。すごい衣装と登場の仕方で、観客もさらにヒートアップ!


フローレスは高音域が素晴らしいスーパー・テノール歌手で、今回もキーを上げて歌っていたそうです。
主役の似合うイケメン・テノールでとても人気があります。ラテンの曲も歌っていてとても素敵。また別の機会にでも。。

そしてブリタニアに扮したかのような素敵なドレス姿のレネ・フレミング。こちらも歌が素晴らしすぎる。。

Renée Fleming sings Rule Britannia - Last Night of the Proms 2010

レネ・フレミングはアメリカの歌手なので最後、アメリカ国旗を振っていましたね。最近は前ほどは歌っていないのかな。。メトロポリタン歌劇場の輝かしいスターです。
明るく華やかな美人でトークも上手く、METのライブビューイング*のインタビュアーなどもしています。

*METライブビューイングはニューヨークのメトロポリタン歌劇場(MET)オペラ公演を映画館で上映したり、WowWowなどの有料放送で流したりしているものです。休憩時間には出演者や演出家等にインタビューしたり、舞台装置の転換などもみれてとても楽しいです。
そもそもMETは今、世界で一番素晴らしいオペラ公演を行っている劇場だと思います。世界中から最高の歌手が集まり、演出、衣装、舞台装置などもブロードウェイを抱えるニューヨークらしくすばらしくハイレベル。例えば、ライオンキングでミュージカルの舞台演出の賞を取ったジュリー・テイモアが、モーツアルトの魔笛を演出し、まさに魔法のような舞台を見せてくれました。

このほかにエルサレムというまた愛国的な(日本人にはちょっと強烈な?)歌も良く歌われます。こちらも第二の国家とも言われ、王室関係の行事でも流れたり、20世紀初頭の女性参政権運動でも歌われていました。民主主義が早くから根付いている印象なイギリスですが、女性の参政権が男女平等になったのは1928年だそうで、アメリカの1920年より遅かったそうです。ジュリー・アンドリュースの映画メアリー・ポピンズで、ナニーをしていた家のお母さんも女性参政権の運動をしていました。

(エルサレムの歌詞抜粋)
And did those feet in ancient time.
Walk upon England's mountains green:
And was the holy Lamb of God,
On Englands pleasant pastures seen!

いにしえの時
イングランドの緑の山々に
神の御足が降り立ったというのか
聖なる神の子羊が
清純なる緑野に顕れたというのか
 ・・
I will not cease from Mental Fight,
Nor shall my Sword sleep in my hand:
Till we have built Jerusalem,
In Englands green & pleasant Land

心の戦いは決して止まず
剣は手の中で眠ることなし
イングランドの清純なる緑野に
エルサレムを再建するまでは!

ここでのエルサレムは地名ではなく、神の国みたいな感じみたいで、聖歌といった位置づけのもよう。

このほか、もちろん国歌も起立して合唱。オーケストラもバイオリン等立てる人は起立して演奏。
前に聖歌隊の話もしましたが、歌うことが盛んなイメージのイギリス。ちなみに歌詞は、歌詞カードが配られたり、会場のスクリーンに写ったりもしているみたい。まあ毎年だいたい同じ歌なので、覚えている人が多そうです。

蛍の光(Auld Lang Syne)は手をクロスして隣の人と手を握って歌います。オーケストラをねぎらうために演奏はなしで、観客だけが歌うのが慣例だったのですが、最近は演奏があるときも多いかな。。

あと映像でよく出てくる胸像の人は、プロムスの創始者のひとりのヘンリー・ウッド。〇十年通い続けているようなプロマー代表が月桂冠を献じ、ウッド卿の禿げ上がった額の汗を拭う仕草をし、みんなで万歳三唱みたいの(Hip Hip Hoorayヒップ・ヒップ・フーレイ)をするのが慣例です。

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